第9回 食と農の戦後史 農業の「総合的価値」とは
―「経済価値」「生態環境価値」「生活価値」―
私たちは、本講座の1~3回目に戦後からの70年間について、我が国の食と農の変遷を俯瞰しました。今回は、農業経済学者である祖田修京大名誉教授の考えを参考にしながら、改めて戦後の食と農の歩みを再整理してみます。
祖田教授は、戦後の農業・農村の役割を10年単位で次のように整理しています。昭和20年代:生存そのものを確保する「経済的役割」、昭和30年代:生活水準の向上を目指す「経済的役割」、昭和40年代:高度成長に起因する公害や環境汚染に対応する「生態環境的役割」、昭和50年代:低成長下における生活の質を求める「社会的・文化的役割」、昭和60年代以降:社会経済の成熟化・情報化・国際化の進展に対応する「総合的役割」です。
そして、それぞれの役割を価値に置き換え、今後の農業問題の見つめ方として、「経済価値」「生態環境価値」「生活(社会的・文化的)価値」の三者を有機的に結びつけた「総合的価値」として捉えることを強調しています。この「総合的価値」について学び、皆さんと今後の展望を議論してみたいと考えています。
今回も、井上ひさしがいう「むずかしいことを やさしく」の精神で行いたいと思います。
日程 2016年3月17日(木)
時間 (軽食)午後6:00 (講座)午後6:30~8:30
会場 NPO法人民間稲作研究所 有機農業技術支援センター (上三川町下神主233)
(センター内30台駐車可。電車はJR石橋駅東口からタクシーで約5分)
申込み 氏名・連絡先を添えTEL/FAX 0285-53-1133まで。
かみ有協のホームページからも申し込めます。
会費 1,000円(夕食代を含む)
定員 30名(先着順)